島津,ユーザーフレンドリーな赤外顕微鏡を発売

島津製作所は,赤外顕微鏡「AIMsight(エーアイエムサイト)」を,1月31日より国内外で発売する(ニュースリリース)。価格は「AIMsight」単体が825万円~(税別),「IRXross」+「AIMsight」システムが1,440万円~(税別)。

この製品は,測定対象に赤外線を照射してその反射・透過率を調べることで,微小な対象物を,簡単に自動で測定する。環境に配慮し,欧州でのRoHS指令で規制されている水銀・カドミウムを用いない,T2SL(Type II Super-Lattice)検出器を新たに採用した。T2SL検出器は,量子型赤外線検出器とも呼ばれており,高感度の次世代赤外線センサとして注目されている。

赤外顕微鏡はフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)「IRXross」に接続して使用する。赤外光の反射や透過を利用して,FTIR本体のみでは測定できない微小領域を測定でき,「医薬品の錠剤に付着した異物」や「電子基板の汚れ」といった微小な異物の解析・同定を主な用途としている。

近年では環境問題となっているマイクロプラスチックの分析にも使用されている。一方で,赤外顕微鏡での測定需要とともに測定に不慣れな分析者が増え,「より微小な測定対象を感度良く,短時間で手間をかけず簡単に測定したい」という要望が高まっているという。

製品には,独自の広視野カメラと赤外用顕微カメラを搭載。広視野カメラは最大10×13mmまで観察できるだけでなく,最大5倍の可変デジタルズームに対応した。また,赤外用顕微カメラでは最小30×40 µmの視野まで観察できる。2種類のカメラは位置情報を共有する。

最大330倍の可変デジタルズームを実現し,広視野での観察から微小な測定対象を素早く見つける。不慣れな作業者向けに,制御ソフトウェア「AMsolution」上の画像をクリックするだけで測定対象を認識し,わずか1秒で最適な測定位置を自動設定する機能も備えた。

感度はクラス最高のS/N(シグナル-ノイズ比)30,000:1を実現。10μmの微小な測定対象でも,感度良く短時間でデータを取得できる。さらに,画像上で始点と終点を選択して,対象物の長さを計測でき,マイクロプラスチックの粒子径計測などに役立つ。

データ取得後は,FTIR制御ソフトウェア「LabSolutions IR」に標準搭載されている異物解析プログラムによる自動解析が可能。分析者自身による煩雑な作業を必要とせずに,数秒で定性結果を取得できる。

さらに,同社オリジナルデータベースである「異物ライブラリ」「加熱劣化プラスチックライブラリ」「紫外線劣化プラスチックライブラリ」との組み合わせで,定性精度がさらに高まるとしている。

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