新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)が開発した,世界最小,指先サイズの光トランシーバー「光I/Oコア」の事業化を進めるため,4月17日,PETRAは光I/Oコアを生産・販売する「アイオーコア株式会社」を設立した(ニュースリリース)。
同社は,技術研究組合から研究成果の知的財産権と技術の一部を承継して新設分割された株式会社の初めての事例となる。代表取締役社長には,PETRA前専務理事の藤田友之氏が就任した。
サーバーなどの情報通信機器の低消費電力化と高速化を両立できる革新的技術を求め,NEDOはシリコンフォトニクス技術を用いた光と電子の融合技術を確立することを目指し,「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発(2013~2017年度)」プロジェクトを推進している。
このプロジェクトで,技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)は,指先サイズ,世界最小の5mm角で,1Gb/sあたり5mWの消費電力,1チャンネルあたり25Gb/sの伝送速度の超小型光トランシーバー「光I/Oコア」を開発しており,その事業化が期待されていた。
技術研究組合という研究組織に関する制度は,組合員が協同で試験研究を行なうことで,産業活動に利用される技術を向上させ,実用化を図ることを目的としている。2009年7月の技術研究組合法の改正により,研究開発を行なった技術の一部を株式会社等に承継することが可能となり,試験研究の途中でも研究成果である知的財産権などを承継して,技術研究組合から株式会社を設立することができるようになった。
今後,アイオーコアは,光I/Oコアを,情報通信機器,産業インフラ機器,民生機器,医療機器等へ適用していく。