デジタルコンテンツ協会(DCAJ)のヘッドマウントディスプレイ(HMD)戦略策定委員会は,「ヘッドマウントディスプレイを中心とした没入型映像システムに関する戦略策定」の成果を報告書としてまとめた(公開ページ)。
これは,機械システム振興協会から平成28年度事業として受託した「ヘッドマウントディスプレイを中心とした没入型映像システムに関する戦略策定」の成果をまとめたもの。
HMDを中心とした没入型の体験ができる映像システムが話題となり,2016年には相次いで製品版が発売された。こうした没入型映像システムは,提示された映像空間にあたかも体験者自身が存在するような極めて高いリアル感に加え,映像空間内を移動しているような感覚を得る。
この再現力は,映像のみならず産業用に新たな多くの利用可能性を生み出すものと期待されるが,一方で人体への負荷等,負の影響も懸念されている。
この事業では,HMDを中心とした没入型映像システムという新しい分野の新しい技術をどのように社会システムに組み込んでいくかについて検討することを目的として,HMD戦略策定委員会を設置した。
委員会において,没入感の要素とその手段の分析・整理や相関性の検証を行ない,そうした結果を求められる要件としてまとめた。また産業分野での応用の可能性について,委員会メンバー以外19社に対するヒアリングを行ない,本格普及のためには,HMDの性能・価格改善,利用者の安全確保等,解決すべき多くの課題があることを認識した。
そうした成果を統合する形で,新たな産業領域での利活用を念頭に3つの提言(中期的な時間軸でのシナリオ策定と可視化,シナリオを具体化するための戦略的な取り組み,センス・オブ・プレゼンスへのアプローチ)をまとめた。当報告書は,公開ページよりダウンロードできる。