オリンパスは,IR(赤外光)観察に対応した外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE II(ビセラ・エリート・ツー)」を2017年3月末から日本や欧州,アジア一部地域で発売する(ニュースリリース)。
がんなどの病変部摘出を目的に,腹部などに開けた数カ所の穴から外科手術用内視鏡と専用器具を挿入して行なう手術(内視鏡外科手術)が一般的に行なわれている。この手術方法は,開腹しないため,術後の痛み軽減や早期回復などの効果が期待でき,患者の負担が少ない低侵襲治療として知られている。
新製品は,現在医療現場で研究が進んでいるIR観察に対応した機器。手元のボタン操作で,瞬時に通常光から赤外光観察へ切り替えができる。また,ビデオシステムセンターは通常光の光源機能を含む一体型のため,現行製品と比べて大きさ,重さが約3割減のコンパクト設計を実現した。製品の小型軽量化により,病院内の省スペース化と医療従事者の負担を軽減する。
さらに,現行製品では光源にキセノンランプを使用していたが,新製品ではLED光源を採用した。ランプの長寿命化により,ランニングコスト低減が期待できる。また,直感的な操作が可能なタッチパネルの採用により,使い勝手向上の向上が期待できるとしている。