富士キメラ総研は,IoTや自動運転などを実現する主要または先端,注目の半導体デバイスの市場を調査・分析し,その結果を報告書「2017 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた(ニュースリリース)。
この報告書では,半導体デバイス17品目はじめ,採用されるパッケージ3品目,前工程材料7品目,後工程材料6品目,製造関連の装置3品目,半導体デバイスのアプリケーション6品目の市場の現状と今後の動向をまとめた。
対象とした半導体デバイスの内,省電力無線デバイスを除く16品目の市場は2015年に26兆1,470億円となった。2020年には2015年比10.6%増の28兆9,127億円を予測する。品目別にみると,市場規模が最も大きいのがCPUで,以下,DRAM,NAND,汎用マイコンと続く。
CPUはサーバーの仮想化やスマートフォン市場の成長鈍化の影響を受けている。低価格帯のスマートフォンのウェイトが上昇することで相対的に単価が下がる可能性が高く,市場は2019年以降マイナスに転じると予想する。
DRAMやNANDはスマートフォン向け,サーバー向けで容量が増加していることから,今後も市場拡大するとみる。汎用マイコンは家電やIoT関連機器向けが増加するが,単価下落が続くため大きな伸びにはいたらないという。
その他では,FPGAが大きく伸びており,次世代メモリーも市場規模は小さいが伸びは大きい。車載SoCは従来用途に加えて1台当たりの搭載個数が増加するADAS向けの伸びが期待されるとしている。
前・後工程材料12品目(2.5Dインターポーザーを除く)の世界市場は,ウエハ(シリコンウエハ,SiC基板/酸化ガリウム基板,GaN基板/ダイヤモンド基板)の市場は,2015年に8,841億円となった。シリコンウエハが市場の大部分を占めるという。メモリー,ロジック需要の増加がけん引し,今後もプラス成長を予想する。
SiC基板はLEDやパワーデバイスに使用されている。いまだ数量は少ないが,2020年以降は自動車向けが本格化し,さらなる伸長が期待されるとする。GaN基板は大部分がLEDやLD(レーザーダイオード)向けに使用されている。LED向けが増加しているほか,将来的には光半導体以外にも高周波デバイスなどのウエハとしての採用も期待され,今後もプラス成長を予想する。