ウシオ電機は,2016年12月7日,オランダ応用科学研究機構 (The Netherlands Organization for Applied Scientific Research:TNO)において極端紫外光(EUV)光源のファーストライトを達成した(ニュースリリース)。
これは,2016年2月にTNOと締結したEUV技術開発戦略的パートナー契約にもとづいたもので,同年11月に出荷し,同年内のファーストライトを目指して開発が進められていた。この光源はレーザーアシストプラズマ放電方式(SnLDP)を採用しており,TNOにおいてEUVの光学系やマスク,ペリクルなどの研究開発に用いられるもの。今後TNOはこの光源を搭載した装置の調整を進め,2017年4月から全世界の企業や機関などに向けて各種研究・評価サービスを開始する予定。
EUV露光技術は,高度な微細化が進む次世代半導体製造工程には欠かせず,すでに10台以上のEUV露光装置の出荷が露光装置メーカーから公表されているとともに,世界の代表的なデバイスメーカーで実用化が検討されている。
このEUV露光プロセスを量産技術として確立するためには,同社が進めている高精細なマスクを検査するための光源の実用化が必須であり,国際的研究機関での実績は重要なマイルストーンのひとつとなる。今後同社は,今回の技術をさらに進展させていくとしている。