東京工業大学は,日本学術振興会特別研究員PDの林寧生博士,ファナック,韓国中央大学とともに,光ファイバー中の変形(伸び)と温度を検出できる分布型光ファイバーセンサーの性能向上に取り組み,片端からの光入射とリアルタイム動作の両立に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。
これまでの光ファイバーセンサーは,光ファイバーの両端から光を入射していたが,センサーの敷設に手間がかかるばかりか,光ファイバーが途中で1か所でも破断すると動作が停止してしまう難点があった。
今回,位相検波技術に基づいて,片端からの光入射による分布型光ファイバーセンサーの超高速化に成功し,これらの問題点を克服した。
その結果,従来法の5,000倍以上となる測定速度である100kHzのサンプリングレートを達成し,たわみ変形の伝搬を追跡することでリアルタイム動作を実証した。
このシステムは,防災・危機管理技術としての応用範囲を広げ,生活の安全性向上に寄与するとともに,ロボットの新たな「神経」としての応用も期待できるとしている。