府大ら,大面積ナノ多孔材料の作成に成功

大阪府立大学,大阪大学,オーストラリア(オーストラリア連邦科学産業研究機構,モナッシュ大学,アデレード大学),オーストリア グラーツ工科大学の研究者らから成る国際研究チームは,無機結晶の表面でナノ多孔性の金属有機構造体(Metal organic framework: MOF)をエピタキシャル成長させる技術を開発し,nmサイズの穴がすべて同じ方向を向き,かつ規則正しく並んだMOF多結晶薄膜の合成に成功した(ニュースリリース)。

ナノサイズの穴を持つナノ多孔性材料は,その穴の中に機能性分子を詰め込むことで,触媒や電子あるいは光機能性材 料としての応用が期待されている。

機能性の分子は向きを揃えて並べることで,電子的あるいは光学的な機能性が大き く向上することがすでに知られている。長年,穴の配列を制御して機能向上を目指す試みがなされてきたが,これまでほとんど実現されていなかった。

研究では,これまで試みられてきた手法,アイデアとは一線を画し,無機結晶(金属水酸化物)を基板として利用することで,世界で初めてMOFの配向成長に成功した。

また研究グループは,異方的な形状をしている蛍光色素をMOFの穴の中に向きを揃えて入れることで,試料に入射する偏
光角度を変えることで色素が光ったり,光らなかったりする,蛍光をON・OFFスイッチング可能な薄膜を作製することにも成功した。

この手法で得られるMOF薄膜は,大面積(cmスケール以上)でかつナノサイズの穴が一方向に向いており,機能性分子・高分子,金属ナノ構造体,イオン等を導入することでMOFを用いた高機能電子・光学デバイスの実現や,基板の無機結晶との相互作用を積極利用することで新物性の開拓が期待されるものだとしている。

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