芝浦工業大学は,スターリングエンジンとソーラーパネルを組み合わせ,災害時などに電気とお湯を供給できる軽自動車型ハイブリッド電源車を開発した(ニュースリリース)。
2014年11月の経済産業省による規制緩和の結果,出力10kW未満のスターリングエンジン発電設備が一般用電気工作物として区分され,原理発明から2016年で200年目となるスターリングエンジンの実用化が期待されはじめた。
一方で,フリーピストンスターリングエンジンに一般的な発電制御用コンバータシステム(交流を直流に変換する機器)を接続すると,コンバータが出す高調波によってエンジンが不安定になるという課題があった。
そこで研究グループは,この問題を解決するコンバータを開発。産学連携により軽自動車の荷台にすべて収まるシステムを完成させ,システムの一部を「フリーピストンスターリングエンジン発電装置」として現在特許申請を行なっている。
この装置は軽トラックの荷台にパッケージされているため,支援が必要なエリアへすぐに駆けつけられ,3kg(120円程度)の燃料を1時間燃やすことで「1kWの電力(スマートフォンの充電約70台分)と45℃・200Lの温水(バスタブ1杯分)」を同時に作れる。
また,日中の晴天時はソーラーパネルも活用でき,夜間や天候不良時,急な大電力消費に備えて蓄電も行なえるとしている。