ニデックは,イエロースキャンレーザー光凝固装置「YLC-500 Vixi™」とイエローレーザ光凝固装置「YLC-500」を発売する(ニュースリリース)。
レーザ光凝固装置は,眼底疾患を熱凝固作用を利用して治療する際に,網膜にレーザを照射するために使用される医療機器。同機は,光凝固においてグリーンレーザー(532nm)より眼内での光吸収・散乱による減衰が少ないイエローレーザー(577nm)を使用しているため,患者への治療効果向上が期待されるという。
また,「YLC-500 Vixi™」は,一点照射だけでなく,指定したパターン(形状)でレーザを連続照射する“スキャンモード” という照射方法が搭載されている。適切なスキャンパターンを選択し,スキャンモードで照射することによって治療時間を短縮できるため,患者と術者双方の負担の軽減が期待できる。
577nmのイエローレーザーは,グリーンレーザに比べて水晶体などの中間透光体の混濁に対する透過率が高いことから,低出力での治療が可能。
また,網膜の中心部である黄斑での吸収が少ないため,黄斑部周辺への効率の良い光凝固が可能。網膜には視細胞(光を感じる細胞)があり,黄斑に密集している。黄斑はものを見るために重要な部分で,キサントフィルという色素で覆われているため,吸収が少ないイエローレーザを使用することにより,患者への治療効果の向上が期待されるとしている。
今回のイエローレーザ光凝固装置発売により,同社の光凝固装置の製品ラインアップは充実。必要な波長やデリバリから,用途に合わせた選択が可能。