筑波大ら,イモリの網膜再生の手がかりを発見

筑波大学と宇都宮大学は共同で,アカハライモリの遺伝子改変技術を駆使して,転写因子Pax6が成体イモリの網膜再生に必須であることを明らかにした(ニュースリリース)。

さらに,Pax6の発現を抑制する実験において,網膜の再生をできなくしたイモリがヒトの増殖性硝子体網膜症と同じの症状を示すことを発見した。

これらの発見は,イモリの卓越した網膜再生能力はヒトの増殖性硝子体網膜症と共通のメカニズムから進化したことを示唆するもの。

すなわち,イモリの祖先も,成体ではヒトと同様に網膜再生能力をもたず,増殖性硝子体網膜症のような外傷性の疾患にかかっていたと考えられるという。これらより,イモリの進化の過程で,疾患を再生に転じる重要な役割を担ったのはPax6だったと考えられる。

Pax6はヒトの増殖性硝子体網膜症でも発現することから,イモリとヒトにおけるPax6の働き方や役割の違いを調べることで,ヒトでも網膜再生を可能にさせる因子の発見につながることが期待できるとしている。

関連記事「岡山大,独自の人工網膜でラットの視覚回復に成功」「QDレーザ,ロービジョンケア向け網膜走査型レーザアイウェアプロトタイプを開発」「理研ら,ES細胞から毛様体縁を含む立体網膜を作製することに成功

キーワード:

関連記事

  • 【interOpto2025】QDレーザ、レーザー網膜投影技術を展示

    interOpto / 光とレーザーの科学技術フェアで、QDレーザ【ビジョンテクノロジーゾーン No. C-38】は、レーザー網膜投影技術を展示している。 この技術は、レーザー光を用いて目の網膜に直接映像を投影するもの。…

    2025.11.13
  • 国立遺伝学研究所ら,網膜内アミノ酪酸の機能を解明

    国立遺伝学研究所,米カリフォルニア大学サンディエゴ校は,網膜でのGABA(ɣ-アミノ酪酸)信号の機能的作用を明らかにした(ニュースリリース)。 ニューロン間での情報のやり取りは,多種多様な神経伝達物質が担う。とりわけGA…

    2025.04.21
  • OIST,錐体細胞が規則的なパターンを作る機序を解明

    沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究グループは,ゼブラフィッシュの網膜内の色を感知する細胞において,Dscambと呼ばれるタンパク質が “自分の仲間を避ける自己回避” をすることで,細胞同士が最適な間隔を保ち,最適な…

    2025.03.27
  • 豊技大ら,肌の乾燥に寄与する視覚的手がかりを解明

    豊技大ら,肌の乾燥に寄与する視覚的手がかりを解明

    豊橋技術科学大学,九州大学,化粧品・医薬品を扱うピアスは,肌の潤い・乾燥に寄与する視覚的手がかりを明らかにするため,どのような画像操作をすると肌の視覚的潤い感が変化するかを心理物理実験によって検証し,肌の明るさの高空間周…

    2024.12.27
  • FBRIら,X線照射を造血幹細胞の再生医療に応用

    神戸医療産業都市推進機構(FBRI),日本赤十字社近畿ブロック血液センター,淀川キリスト教病院は,X線照射することで生着・分化する能力を除去した他者の臍帯血造血幹細胞も,X線照射していない自己の幹細胞と同様に,損傷した血…

    2024.06.11

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア