東工大,分子配向制御で省電力高密度メモリーに道

東京工業大学と大阪大学のグループは,フラーレンの一部を切り出したお椀形状をもつ分子「スマネン」を用い,単分子レベルで分子の配向を自在に制御することに成功した(ニュースリリース)。

高密度の分子メモリーを作製するために,研究ではお椀型の形状をもつスマネン分子に注目した。スマネン分子は基板に吸着させることで上向き,下向きと2種類の配向をもつことが期待できる。

金の表面に最密構造をもつスマネン分子膜を作製し,走査型トンネル顕微鏡(STM)の探針を近づけて,スマネン単分子の反転を実現した。

分子反転(分子の向き=配向)によりスマネン分子の伝導度が10倍程度変化することを確認した。スマネン単分子の伝導度を1記録素子として利用することで記憶媒体として利用できる。また分子反転は電流ではなく機械的な力により誘起され,形状保持に電気は不要。

スマネン分子の密度は1平方インチあたり600テラビット(Tbit/inch2,1テラビットは約1兆ビット)に相当し,高密度メモリー,低消費電力の不揮発性分子メモリーへの展開が期待できるという。

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