金沢大ら,反転層型ダイヤMOSFETの動作実証に成功

金沢大学は産業技術総合研究所,デンソーとの共同研究により,世界で初めてダイヤモンド半導体を用いた反転層チャネルMOSFETを作製し,その動作実証に成功した(ニュースリリース)。

ダイヤモンドは,パワーデバイス材料の中で最も高い絶縁破壊電界とキャリア移動度,そして熱伝導率を有することから,究極のパワーデバイス材料として期待されている。

しかし,高品質な酸化膜およびダイヤモンド半導体界面構造の形成が困難であるため,パワーデバイスにおいて重要なノーマリーオフ特性を有する反転層チャネルダイヤモンドMOSFETは実現していなかった。

今回,研究グループは独自の手法で母体となるn型ダイヤモンド半導体層および酸化膜とダイヤモンド半導体層界面の高品質化に成功し,それらを用いた反転層チャネルダイヤモンドMOSFETを作製し,その動作実証に成功した。

具体的には,マイクロ波プラズマ化学気相成長法によるn型ダイヤモンド半導体の高品質化,ウェットアニールによる酸化膜およびダイヤモンド界面の高品質化によって,反転層チャネルダイヤモンドMOSFETを作製し,その動作実証に世界で初めて成功した。

将来,ダイヤモンドパワーデバイスが自動車や新幹線,飛行機,ロボット,人工衛星,ロケット,送配電システムなどに導入されることで,ダイヤモンドパワーエレクトロニクスの道を切り開き,省エネ・低炭素社会への貢献が期待されるとしている。

関連記事「東工大,ゲルマニウム導入し光るダイヤを開発」「産総研,転位密度400個cm-2の低欠陥単結晶ダイヤモンドウエハのコピー技術を実証

キーワード:

関連記事

  • 【解説】ダイヤモンド半導体の産業化へ、日本勢の挑戦が加速

    人工ダイヤモンドメーカーのOrbray(東京都足立区)はこのほど、世界最大級の人工ダイヤモンドメーカーであるElement Six(英国 ロンドン)との提携を発表した(ニュースリリース)。両社はウエハースケールの単結晶ダ…

    2026.06.22
  • 東北大、MEMSでダイヤモンド光デバイスの共鳴波長制御に成功

    東北大学は、超ナノ微結晶ダイヤモンド(UNCD)製フォトニック結晶とMEMSアクチュエータを集積した新しいダイヤモンド光デバイスを開発し、MEMSによる機械的変形を用いて共鳴波長を制御することに成功した(ニュースリリース…

    2026.06.18
  • ウシオ、光電融合デバイスでも実績がある、一括投影露光装置の最新モデルを受注へ

    ウシオ電機は、ウェハ向け一括投影露光装置UX-4シリーズの新製品として、LED光源を搭載した「UX-44101SCB」および「UX-45114SCB」を開発し、2026年7月より受注を開始する(ニュースリリース)。UX-…

    2026.06.08
  • 阪大など、ナノダイヤモンドの高圧選別に成功 高感度センサーへの応用に期待 

    大阪大学、ダイセル、立命館大学は、欲しい波長で光るナノダイヤモンドだけを光の圧力(光圧)で選別することに初めて成功した(ニュースリリース)。 ダイヤモンドの色中心と呼ばれる構造が注目されている。これは透明なダイヤモンドに…

    2026.04.03
  • オンセミ,革新的「縦型GaN」パワー半導体を発表

    オンセミは,縦型窒化ガリウム(vGaN)パワー半導体を発表した(ニュースリリース)。 現在,エネルギーが技術進歩を左右する最も重要な制約となる新しい時代に突入しており,電気自動車や再生可能エネルギーに加え,今や一部の都市…

    2025.11.07

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア