パナソニックは,モバイル機器の筐体とパネルの接着・組立てに適した「時間差硬化UV(紫外線)接着剤(Fine Glue:ファイングルー)」を製品化,2016年9月から量産を開始する(ニュースリリース)。
紫外線の照射後,一定時間経過した後に硬化する液状の材料で,照射後の組立てがしやすく,紫外線を通さないUVカットパネルなどを照射後に接着することも可能。接着剤を厚く,細く塗布することができるため,モバイル機器などの狭いスペースの接着にも対応できるという。
現在,モバイル機器やカメラなどの筐体とパネルの接着に採用されている両面テープは,狭いスペースの接着が難しく,熱硬化性接着剤は,高温で硬化時間が長い,また速硬化UV接着剤は紫外線照射後,すぐ硬化するため,UVカットパネルは接着できないなどの課題があった。
同社では紫外線の照射後,一定時間(2分)経過した後に硬化する新たな接着剤を製品化した。硬化するまでの時間に余裕ができ,部材の位置調整や紫外線が透過しない素材の接着が可能で,低温・短時間で狭い塗布面積での接着にも対応する。
接着は60℃10分の処理で硬化が完了する(現行の熱硬化性接着剤の場合,150℃60分で硬化)。また,最大アスペクト比:5/4(塗布横幅/高さ)と高アスペクト比,最細塗布幅は300μm(0.3mm)(現行の両面テープ:1mm),接着剤の接着幅は400μm以上と狭いスペースの接着にも対応。
筐体とディスプレイパネルの接着や,紫外線を通しにくいフィルムの接着,カメラモジュールの組立て,カバーガラスやバックライトの接着,ウエアラブル機器の組立てなどの用途を想定している。