ユーヴィックスは,「光とレーザーの科学技術フェア」(11月17日〜19日,科学技術館)において,液体ライトガイドの試作品を出展している。
これは,内側に薬品加工したフレキシブルなチューブ内に特殊な液体を詰めた極太の光ファイバー。一般的な光ファイバーのように信号を伝えるのではなく,太陽光の室内への導入や,植物工場での配光といったアプリケーションを想定するもの。
今回展示しているのは入出射口がΦ10mmで長さ3mの試作品。ケーブル両端にはガラスが入った長さ数センチの金属製のコネクターが付いており,その間は液体で満たされている。石英ファイバーに比べて曲げに強く,R=15〜20cmくらいに対応するという。長尺化も可能で,20m長のものも試作している。
充填する液体は,導光する波長に合わせて可視光域,紫外域,オールマイティの3種類を開発している。特殊な液体だがコスト的には高いものではなく,価格は同じ長さの石英ファイバーの1/10程度になるという。また,室内に光を届ける別の技術として空間中を鏡で導光するような方法もあるが,この液体ライトガイドならば壁に小さな穴を開けるだけでなので,工事のコストも安く済むとしている。
液体による光ファイバーはこれまでもあったが,これだけ大きな径を持ち,かつ国産のものは始めてだという。まだ液体の充填/封止技術に問題があるというものの,同社では量産体制を早急に整え,来年度くらいには製品化に漕ぎ着けたい考えだ。