住友電気工業は,集光型太陽光発電装置(CPV)を製品化し,宮崎大学の木花キャンパス内に設置,発電を開始した。CPVは,高日射環境において結晶シリコン太陽電池など従来型の太陽光発電システムに比べ,優れた発電能力を発揮する。
CPVは,化合物半導体の発電素子を用い,太陽を正確に追尾しながらレンズで直達日射光を集めて発電する。発電効率は標準的な結晶シリコン太陽電池に比べて約2倍で,また発電素子の温度依存性がほとんどないことから,直達日射量が多く気温が高い地域で有効な発電システムとして期待されている。
モジュールは集光型太陽光発電装置業界でトップレベルとなる,厚み約100mm,重量10kg未満。薄型で軽量なモジュールは,輸送時のモジュール積載効率の向上や現地設置作業効率の向上,太陽を追尾する架台に多く搭載できるなどのメリットがあり,発電システムのトータルコスト低減に貢献する。
同社は,2010年より「薄型」でかつ「軽量」を特長とするモジュールの開発に着手し,2012年から実証運転をしてきた。今回宮崎大学では同社製CPVを将来有望な次世代型太陽光発電システムと位置付け,3月19日より研究設備として設置している。
設置したCPVは64モジュール搭載システム 2基で,合計したモジュール定格出力は,IEC国際規格で15kW以上となる。また,同社のCPVモジュールは,発電出力を落とすことなく「絵」や「文字」をモジュールに映し出すことが可能で,1基には全面に大学ロゴマークを表示してる。
詳しくは住友電工 プレスリリースへ。