産総研,LED励起光源を用いた超小型蛍光検出デバイスを開発

産業技術総合研究所(産総研)集積マイクロシステム研究センターは,面発光マイクロLED励起光源,およびアモルファスシリコン・フォトダイオードに光学干渉フィルタを一体的に集積した蛍光検出センサから構成される,超小型蛍光検出デバイスを開発した。微少量の流体を操作可能なマイクロ流体バイオチップ技術に応用することで,その場で高速に診断できるPOC診断に理想的な特徴を備えたもの。

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今回,励起光源として採用したLEDは,半導体レーザの1000分の1程度の価格だが,光の指向性が低く,集光することが難しい。集積型蛍光検出装置には,従来法(共焦点レーザ励起蛍光顕微鏡)で採用されているピンホールによる散乱光遮蔽機能がないため,励起光をマイクロ流体バイオチップ内のマイクロ流路幅以内に集光し,マイクロ流路側壁からの散乱を抑制することでノイズレベルを下げる。

また,LED発光面の小型化および非球面マイクロレンズの採用により集光スポットを小さくした。これにより短焦点(5 mm)で190×230 µmに集光することに成功し,必要な光量を確保しながら,マイクロチャンネルへの低散乱光照射を実現した。マイクロ流路内の蛍光色素から放出される蛍光はマイクロレンズにより収集し,選択的に蛍光成分のみを取り出して,アモルファスシリコン・フォトダイオードにより検出する。

この蛍光検出装置を用いて,ポリスチレン製マイクロビーズ上に固定化された抗体を蛍光色素が結合したタンパク質(蛍光標識化タンパク質)により検出した。マイクロ流体バイオチップ内のマイクロ流路には,せき止め構造が形成されており,抗体が固定化されたポリスチレン製のマイクロビーズが充填,固定化されている。

このような状態で,ビーズに固定化された抗体と反応する蛍光標識化タンパク質を導入し,続いて緩衝液を流し,その間の蛍光の時間変化を検出した。その結果,この蛍光検出装置が臨床検査で重要なイムノアッセイを行なえることが分かった。

今回開発した超小型LED励起蛍光検出装置は,マイクロ流体バイオ分析技術を,POC診断,ウエアラブルな健康モニタリングデバイスなどの”現場”に持ち出すための新しい検出プラットホームであるとしている。

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