ディスコは,レーザー加工によるインゴットスライス手法「KABRA」(カブラ)プロセスの完全フルオートメーションを実現する「KABRA!zen(ゼン)」を開発した(ニュースリリース)。これにより,KABRAプロセスに必要なレーザー照射・ウエハー剥離・指定厚仕上げ研削・インゴット上面研削の一連の工程を無人化できる。
従来のKABRAプロセスは,レーザー照射・ウエハー剥離・指定厚仕上げ研削・インゴット上面研削の各工程間でオペレータによるワークの置き換え作業を伴うため,オペレータスキルがスループットに影響していた。
また,SiCをはじめとする次世代材料を用いた省エネ型パワーデバイスの普及が期待されているが,従来のダイヤモンドワイヤソーによるインゴットスライスは,スループットの低さと加工時の素材ロス量の多さが製造コスト増に繋がっていた。
今回,レーザー照射・剥離・指定厚仕上げ研削・インゴット上面研削の工程搬送全自動化によりスループットを約50%向上した。また,レーザー・剥離・研削各プロセスを繋ぐシステムであるため,ウエハー生産量や面仕上げ状態など諸条件に応じて,各工程の装置数をカスタマイズできる。
先行してマニュアルタイプのKABRA専用機を導入している場合でも,後付けによる全自動化が可能。なお,KABRA!zenによる全自動プロセスおよび,プロセスに用いる各装置はすべて同社開発によるものだという。