LGイノテック,UV-C LED応用製品を公開

韓国LGイノテックはこの6月27日,都内でUV LEDフォーラムを開催し,自社開発のUV LEDチップ/パッケージや,これを搭載した空気清浄機などの製品を披露した。

LGイノテックは世界市場をターゲットにモバイル,ディスプレイ,車載などの分野向けにLEDや半導体デバイスなどを手掛けているが,LEDでは400~230 nm帯を供給している。

今回のフォーラムはUV LEDに焦点を当てたもので,同社では開催の狙いについて,UV LED技術と応用製品などの最新情報を共有するためとしている。

UV LEDは,波長によって細菌・ウイルスなどを滅菌する効果があり,また特殊な物質と化学反応する特性があることから,水・空気・表面殺菌,医療・バイオ,硬化・露光装置などに使用されている。

写真1
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同社は昨年,殺菌向けに光出力100 mWのUV-C LEDを開発しているが,この日のフォーラムにおいて同社LED事業部部長の宋俊午氏は,「今年は150 mW,2019年には200 mWまで光出力を高めていく計画」だと明らかにした。

100mWのUV-C LEDの殺菌能力については,韓国ソウル大学・農業生命科学学部の金度均氏が検証し,その結果,食中毒を引き起こすサルモネラ菌を3.4秒で99.9%除菌できることを示したという。

写真2
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UV LEDを応用したものではLG電子が製品化したというエスカレーターのハンドレール殺菌装置,スキンケア製品,空気清浄機,浄水器があり,既に韓国国内やインドなどに上市している。

このうち,エスカレーターのハンドレール殺菌装置は,8 mWのUV-C LEDモジュールを搭載しており,ハンドレールの動力を用いて電力を得るため,電源を不要にしている(写真1)。

写真3
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スキンケア製品は,2 mWのUV-C LEDを採用しており,製品スタンドや蓋にUV LEDを搭載。肌に接する製品部を常時殺菌するというもので,一回の充電で45日間の使用を可能にしている。また,米国FDA認証も取得している(写真2)。

空気清浄機には4 mWのUV-C LEDモジュールを採用しており,水槽に設置している(写真3)。浄水器は2 mWのUV-C LEDモジュールを搭載しており,5分間のUV照射で99.98%の殺菌を得ることができるとしている。◇

(月刊OPTRONICS 2018年8月号掲載)