パナソニック,青色半導体レーザーを採用したコンパクト接合レーザーを開発

開発した青色半導体レーザーを採用した接合用レーザー
開発した青色半導体レーザーを採用した接合用レーザー

パナソニックプロダクションエンジニアリングは,青色半導体レーザーを採用した接合レーザーを開発した。電子部品などのはんだ付け用途を想定したもので,2017年中のリリースを予定している。

レーザーによるはんだ付けは,半導体レーザーの高出力化とともに,装置の小型化も進んでいることから市場への浸透率も高まっている。同社では,はんだ付け用途として定格出力70 Wの赤外半導体レーザーを製品化しているが,今回,青色半導体レーザーによるはんだ付け技術を開発し,提案を開始した。

表1 仕様(2017年1月カタログより)
表1 仕様(2017年1月カタログより)

同社では開発の経緯について,「十数年にわたり,青色半導体レーザーによる接合技術の開発を進めてきた。ここ数年で青色半導体レーザーの出力が高まってきたことで実用化につなげた」としている。開発した青色半導体レーザーの最大出力は10 Wで,これまでブルーレイディスク用レーザーで培った技術により実現したという。実際,2015年9月には連続発振4.5 Wの青紫色半導体レーザーの開発を発表しており,青色波長帯の半導体レーザーの高出力化技術を確立してきている。

青色半導体レーザーでは金の熱吸収率が60%,銅の熱吸収率が50%と赤外レーザーによる熱吸収率2%と比較して極めて高いのが,最大のアドバンテージとなっている。そのため,金や銅に対するはんだ付けでは,56 Wを要する赤外半導体レーザーの出力よりも,7分の1となる8 Wの出力ですむという。また,反射光が少ないというメリットがあり,例えば,銅端子や銅電極が搭載された樹脂成形品,ICがモールドされたパッケージへのはんだ付けの際,ランド周辺の部材や部品に対するダメージを抑制することができる。

金や銅に対する接合ニーズは,電子機器の高機能化に伴って高まっている。従来難しいとされてきた高反射材料に対する接合を可能にする青色半導体レーザーへの期待は大きく,今後の応用展開が注目される。◇

(月刊OPTRONICS 2017年3月号掲載)