プラズマ方式真空紫外光源
紫光技研は独自のプラズマ方式による紫外光源を開発しているが,今回,従来の250 nm(UVC)から一気に真空紫外(VUV)領域である172 nmにまで波長を短くしたプラズマ光源の開発品を発表,会場内で展示を行なった。この波長域はオゾンの発生に用いられ,殺菌や消毒,半導体基板の洗浄などに利用されている。光源には主に水銀ランプが用いられてきたが,今後水銀が規制されることから代替品が求められていた。
この光源はガラス管に充てんしたキセノンをプラズマ化して紫外光を得るが,今回,ガラスの組成を工夫すると共に,ガラスを薄くするなどして効率良く紫外光を取り出すことに成功した。標準モジュールは8×6 cmで,ガラス管の長さや数をカスタマイズすることも可能。出力の評価はこれからだが,200 mW以上は出ているとしている。同社では今後,寿命や耐久性を評価し,3か月後を目途にサンプル出荷を開始する。
スマホ対応ハンドヘルド分光放射計
英弘精機は携帯型分光放射計の開発品を展示した。同社は日射計の老舗メーカーで分光放射計はそこから派生した製品となる。そのため精度や耐光性といった,屋外で使用する際に要求される性能に優れるのが特長で,さらに開発品は片手でもホールドしやすい球形の形状と開口部の角度を変えることができる機構を設けた。
また表示部にスマートフォンを利用することで,データを扱いやすくし,リモート操作も可能にした。測定波長域は350〜1050 nm,波長間隔3.3 nm,波長精度0.3 nm,波長分解能10 nmとなっている。アプリケーションとしては植物工場などの農業分野,遮光・遮熱塗料などの性能測定,気象衛星の補正データ取得,照明器具の測定,劣化試験の条件測定などがある。来年1月〜3月の発売を予定している。価格は90万円。
機器組込み向け小型安価な半導体レーザー
光伸光学工業は新製品の固定波長半導体レーザーを展示した。同社は通信波長帯を中心とした波長可変レーザーを扱ってきたが,製品組込み向けに波長固定で小型,安価なレーザーとしてこの製品を開発した。サイズは電源モジュール無しで50×75×29 mm(写真は電源付きタイプ)。周波数が安定(≦±100 MHz(60 min.)=±0.8 pm)した狭スペクトラム線幅(≦50 kHz)なレーザーが得られるのが特長。光出力は≧+10 dBm。コネクタのタイプを指定可能な偏波保持ファイバーにて出力する。波長は1180〜1370 nmまたは1400〜1680 nmから任意に選ぶことができるほか,複数チャンネルを組込む検査用光源としてのカスタマイズも引き受けている。◇
(月刊OPTRONICS 2017年12月号掲載)