株式会社オプトゲートは,光ファイバーを束にした光学デバイス『ファイバーオプティックプレート(FOP)』の取り扱いを開始した。
FOPは,入射された光やイメージをダイレクトに出射面に伝達することができるもので,塩湖が干上がったときにできる鉱物を加工したTelevison stoneやTelevison Rockと呼ばれる石を利用するものと似たような,下面の像が表面に浮かび上がる仕組みとなっている(写真1)。
これを工業用途として開発したものがFOPで,光を伝達するシングファイバーと吸収体ガラスの構造となっており,吸収体ガラスがシングルファイバーの漏れ光を抑制することから,解像度を損なうことなく高分解能な光学像の伝達を可能にする。
CCDやCMOSセンサーなどの撮像素子に直接取り付けることが可能で,通常こうした撮像素子とレンズを結合させる場合には空間距離が必要なのに対し,FOPとの結合では焦点距離がゼロになるのを特長とする。形状やサイズは用途・要望に応じてカスタマイズを可能にしている。FOPの主な例では,ライトガイド向けに1.5 mm〜1,000 mmの長尺タイプやテーパータイプ,インバータータイプ,プレートタイプが挙げられている(写真2)。
同社によると,最も利用が進んでいるのがアミューズメント用途で,海外ではスロットマシンの表示用ボタン部分に利用されているという。また,指紋認証装置や医療用途,軍事向けナイトゴーグルなどにも利用されているとしている。
同社がFOPの用途で想定しているのもアミューズメント機器向けと指紋認証としているが,さらにLEDとの組み合わせによる照明などのアプリケーションなども見込む。用途はそのアイデアにより多くの可能性がありそうだ。同社ではFOP事業について,ユーザーニーズに対応し,用途開拓を進めるとしている。◇
(月刊OPTRONICS 2016年12月号掲載)