プリント基板ビア用レーザ加工機市場,スマホとタブレットPCが牽引し堅調に推移

今後の展望

FP_201309_06

プリント基板や電子部品の生産はその多くが中国・台湾,韓国,さらにベトナムやタイなど東南アジアが占めており,加工機メーカはこうした地域での受注獲得で鎬を削っている。現在市場はスマートフォンやタブレットPC向けがけん引役となっているが,この恩恵によって今後も増設による設備投資が続いていくことが見込まれている。

一方で,UVレーザ加工機の量産現場での普及が進むのかも気になるところ。UVレーザ加工機は,国内メーカでは日立ビアメカニクスがUVレーザ発振器も搭載可能としているが,今回,三菱電機がUVレーザ加工機を発表したことで,UVレーザ加工を要求する市場の形成が期待されている。

UVレーザでは熱影響が少ないφ50μm以下の高品位加工が可能だ。ただ,CO2レーザでもφ40μmといった微細孔加工が可能で,コストメリットでも優位性がある。しかしながら,プリント基板や電子デバイスの進化により,新たな基板材料や加工プロセスの開発が進むものと見られることから,UVレーザならではのアプリケーションの登場が期待される。

量産現場での導入を考えれば,発振器の高出力化という課題はある。これに関しては技術開発の進展に伴い段階的に引き上げていくことが予測される。そのために光学業界へのニーズとして装置メーカが要求しているのは,高出力に耐性ある光学デバイスの開発だ。今後のUVレーザ発振器と加工機の開発の行方,加えてその市場動向が注目されている。