プリント基板ビア用レーザ加工機市場,スマホとタブレットPCが牽引し堅調に推移

プリント基板生産量とビア用レーザ加工機のアプリケーション

表1 2010年〜2012年の国内におけるプリント基板品種別推移(出典:日本電子回路工業会)
表1 2010年〜2012年の国内におけるプリント基板品種別推移(出典:日本電子回路工業会)

国内におけるプリント基板の生産量(表1)は2010年が対前年比113.8%増の1,870万1,000m2となっているが,2011年が同90.5%の1689万4,000m2,2012年が同98.7%の1,664万m2と2年連続でマイナスとなっている。

品目別を見ると,多くの品種が減少しているものの,フレキシブルプリント基板(FPC)の生産量は増加傾向にあるのに加え,2012年には4層と6〜8層基板の生産量が回復している。この要因としては,やはりスマートフォンとタブレットPC向けが好調に推移していることが考えられている。

スマートフォンやタブレットPC向けでは限られたスペースに電子デバイスを高密度実装するエニーレイヤ構造の基板(エニーレイヤ基板)が採用されており,この基板の登場により,ビア用レーザ加工機は急速に普及した。今ではエニーレイヤ基板市場がビア用レーザ加工機のアプリケーションとして高い比率を占めている。

一方で,今後導入比率が高まると見られているのが,インターポーザやサブストレートといったパッケージ基板だ。パッケージ基板におけるビア用レーザ加工機は,半導体チップとマザーボードを接続する100μmオーダの導通用貫通孔空けに適用が進んでおり,パッケージ基板の薄型化要求に伴い,ビア用レーザ加工の重要度がますます高まるものと見られている。

ビア用レーザ加工機の市場動向と開発のトレンド

市場では,依然として短パルスCO2レーザによる加工機が大半を占めている。メインプレイヤーは韓国・EO TECHNICS,住友重機械工業,日立ビアメカニクス,中国・HAN’S LASER,パナソニック溶接システム,三菱電機の6社だ。

主戦場は日本国内を始め,中国・台湾,韓国市場となっており,欧米市場は少ないのが現状だ。欧米の基板メーカはアジア地域での生産を主としているのが理由という。この中で,中国市場ではHAN’S LASERが,韓国市場では一部の基板メーカにEO TECHNICSが納入実績を高めているようだ。