スマホとの連携が,今後のICT市場を生き残るカギに

一方,スマートフォンの普及によって大きな影響を受けているのはデジタルカメラ市場,特に低価格帯を中心としたコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)市場だ。予測によれば2013年のデジカメ市場(一眼レフ/コンパクト)は2011年の1億3,660万台から2013年には8,740万台にまで急速に落ち込み,その後も減少傾向が続く。この落ち込みにはコンデジ以外に一部ローエンドの一眼レフカメラも含まれる。また,ビデオカメラも同様の傾向をたどる。カメラ以外では,ポータブルカーナビゲーションやPOSターミナル市場もスマートフォンやタブレットに侵食される。

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ネットワーク市場もスマートフォンの普及により,FTTHをはじめとする固定回線の成長が鈍化,契約数はほぼ横ばいの状態が続く。一方で通信容量は増加するものの,集客キャンペーンなどでキャリア各社の1契約あたりの月間収入は低下が予測されることから,これまでのビジネスモデルでは成長が望めず,各社共に既存以外の事業領域に進出を始めている。通信インフラは基幹系への投資が期待できる一方で,特に固定回線の加入者系においては厳しい状況が続きそうだ。

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通信関連では,今後拡大が期待されているM2M市場が,スマートグリッドに代表されるエネルギー分野やセキュリティ分野の後押しもあって大きく拡大,その市場規模(通信,システム構築・運用など)は2018年度には1兆円を超える。ただし,M2M市場で通信回線費用が占める割合は,M2Mの通信データ量が少ないことと,回線使用料の下落によって約11%と小さい。この市場は,通信サービスとネットワークの構築・運用サービスのパッケージングが主流になると見られている。光業界ではカメラやセンサ,通信モジュールなどのデバイスメーカがビジネスチャンスとなりそうだ。

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