或る資料で「ワーキングメモリ」の記述が目に留まりました。ちょっと気になる認知心理学で用いられる概念で,曰く「作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する能力」だそうです。高齢者になるとこの機能が低下するとのこと。その容量は小さく,人間の脳は平均して一度に7個程度しか覚えられないそうです。その限界を超える裏ワザに,例えば中学数学で平方根などを覚えたような“語呂合わせ”があります。因みに,円周率のギネス公認の暗記桁数は7万桁とか…。信じ難い値ですがそんな円周率には様々なエピソードがあります。以下,その幾つかを…。
円周率はBC2000年頃のメソポタミア地方で円に内接する六角形から3.125の数値を導き出していたようです。又,BC1650年頃の古代エジプトでは分数の256/81(=3.16…)が当時のパピルスに示されていました。更にBC3世紀頃に古代ギリシアのアルキメデス(BC287頃−BC212)は正96角形の辺の長さを基にして223/71(=3.140…)より大きく,22/7(=3.142…)より小さい値であると近似しています。又,5世紀頃の中国では祖沖之(Zu Chong-Zhi:429−500)が355/113(=3.1415929…)の記録を残し,少数第6位まで真値に近づけていました。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。