光の伝搬(Ⅰ)

1. はじめに

光の伝搬を考える際,前章第6節で説明したように,光を光線の集合として考え,それらの光線が,光学系の中をどのように屈折あるいは反射するのかという視点から光を捉える幾何光学と,光を波として捉える波動光学がある。波の伝搬に関しては,実験もシミュレーションも難しいので,ここでは,幾何光学を中心にして考えることにする。

2. ガウス光学

図2.1 近軸光線
図2.1 近軸光線

2.1 近軸光線

光線が光学系の中を伝搬する際,図2.1に示すように,光線が光軸(光学系の中心軸)となす角度θが大きいと結像性能が悪くなることは,容易に想像できる。逆に,光軸から大きく離れない光線を近軸光線と呼び,近軸光線では良好な結像性能が得られる。このような領域を近軸領域またはガウス(Gauss)領域と呼び,このような範囲で結像させることを近軸結像あるいはガウス結像と呼ぶ。また,近軸光線だけを考える光学系をガウス光学と呼ぶ。

通常,基本的な結像に関する議論は,ガウス光学の範囲の中で行う。

(2.1)

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