4. 分光
光をスペクトルに分解することを分光と呼ぶ。前号の実験は,分光の実験ということになる。前号の説明からわかるように,光の吸収による透過と反射,屈折と回折による分散によって,光を波長に分けることができる。
4.1 光の吸収
セロハンなどの色の付いた透明な物質に白色光を入射させると,その反射光や透過光に色が付くということは,その物質の吸収によって光の波長が分離されたことになる。図4.7は,市販のセロハン(赤,黄,緑,青)の分光透過率を示したものである。可視光域で吸収する色素の特性により,近赤外域では,いずれも透明である。黄色いセロハンは赤色域でも透明であるが,前章で説明したように,人間の視感度は赤色よりも黄色で高いので,黄色く見える。
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