1. はじめに
1960年にセオドア・H・メイマンにより発見されたレーザは,以来50年余,目覚ましく進歩を続けている。中でもファイバレーザが誕生してからは,その高いビーム品質によりレーザ加工は品質,スピードが向上した。レーザ加工はファイバレーザの誕生が大きな転換期と言っても過言ではない。
昨今,このファイバレーザの短所を補うために様々な技術が開発されている。例えば,ブルーレーザやグリーンレーザが良い例である。銅やアルミなどの材料はファイバレーザの基本波である1μm帯の光の吸収が乏しく,吸収の高いブルーレーザやグリーンレーザが注目を浴びている。他にもファイバレーザから出射されたビームが加工に適したビーム強度分布を得るため,様々なビームシェーピング技術が開発されている。レーザ加工技術はまた新たなフェーズに向かって動き出している。
これらのような技術の発展も重要だが,ファイバレーザそのものの技術もまた進歩が必要とされる。従来のファイバレーザやその周辺技術には以下の4つの点で課題があるとされる。①シングルモードのまま高出力化することができない②銅やアルミの加工に適した波長での高出力CWシングルモード発振ができない③得られるビームシェーピングが限られており,また動的に変化できない④フォーカス位置の移動がメカ的に行われるためにスピードが限定される。
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