1. 序文
青色や白色のLEDに使われているInGaN系の窒化物半導体を用いて,近紫外波長365 nmまで,高効率と高出力は実現されている。この波長帯であれば,パッケージもシリコーンで樹脂モールドできる。より短波長のAlGaN系のLEDの開発は,天野・赤﨑らのサファイア上の高品質AlN結晶成長の成果を受けて1),2006年に創光科学㈱(UV Craftory Co. Ltd.)を設立して実用化開発に注力した。
InGaN系のLEDが1994年に市販されてから,AlGaN系LEDの量産工場が作られるまでに20年の年月を経た。周期律表上位の結晶成長温度は高く,成長が難しいのが理由の一つである。サファイア上のAlGaN-LEDは,波長270−300 nmで強く発光する。この波長ならば,従来のInGaN系UV-LEDと機能で差別化できる。InGaN系に対して,透明樹脂(波長<400 nm)により安価なパッケージ手法も実現されている。実際,近紫外340 nm付近まで,市販のシリコーン樹脂に耐久性がある。
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