5. 色収差
今回は,波長の違いによって像のできる位置が異なる色収差という現象について説明する。色収差は,屈折でも回折でも生じる現象である。屈折に関しては,第6回望遠鏡の項で,回折に関しては,前号で,その影響について少し触れた。
物質の屈折率は波長に依存し,このことを波長分散と呼ぶ。波長分散により,レンズによってできる像の位置は,波長によって異なることになる。また,回折レンズの回折角は,式(8.5)で与えられるように,使用する光の波長にほぼ比例する。このようなレンズに平行光を入射させると,図8.15(a)に示すように,白色光は波長に分解され,縦方向にばらける。
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