レーザー生成イオン育種と品種改良の可能性

元・光産業創成大学院大学 牧野孝宏

1. はじめに

放射線による突然変異は大部分遺伝子の不活性化されることにより生ずるものとされ,突然変異遺伝子は,正常な遺伝子に対して劣性に,安定的に遺伝する。こうした特性を利用して多くの品種が開発されている。穀類・豆類では,水稲のレイメイ,大豆のライデン,ライコウなどの品種が育成された。

ナシでは,重要病害のひとつである黒斑病抵抗性を示す「ゴールド二十世紀」や「オサゴールド」をはじめ,最近では7月中旬には収穫可能な品種「喜水」を改良した「静喜水」を生み出している。

作物育種の場合,品種の特性が優れ,生産性が確保されていれば,大きな経済効果が期待できる。たとえば,中部ヨーロッパのビール麦の大部分の品種や生産にしめる割合はチェコスロバキアで育成された品種「Diamant」に由来していることが知られている。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    同じカテゴリの連載記事

    • 情報通信の通信機能以外のご利益 2020年03月18日
    • 「どっちか」より「どっちも」 2020年03月03日
    • 聞くは一時の恥とは言いますが 2020年02月18日
    • 組織的積極的もの忘れ 2020年01月31日
    • 相撲放送を見ていて感じました 2020年01月17日
    • 成長期の「棚からぼた餅」 2020年01月06日
    • 喋りたいことが喋れる質問を 2019年12月17日
    • 分からないのにありがたい
      分からないのにありがたい 2019年12月02日