箸とフォーク

鴫原正義

食事の際に箸やフォークを用いますが,地球上の人口70億の内,手で掴んで食する「手食」がおよそ4割で,主に箸を使う「箸食」と主にナイフとフォークを使う「ナイフ食」とがそれぞれ3割程度だそうです。手食が多いのには驚きですが,何れにしても箸やフォークは食文化の側面を象徴しているようにも思えます。以下にその二つの世界を追って見ました。

dish-of-rice-ii_2285069

先ず箸に関しては,紀元前10数世紀の中国・殷の時代とされる青銅製の箸状の何ものかがありますが,食事に使われたものではなさそうです。そして,紀元前4世紀頃の戦国時代に使われていたとされるピンセット状に作られた箸が発掘されています。加熱して折り曲げることができる竹の特徴を活かしたものです。

因みに,この時期に竹冠を使った「箸」や「莢」の漢字が現われているそうですから,出土品の裏付けにもなります。その後,中国の料理は厨房で使う包丁で適度の大きさに刻み,食卓では箸だけで食するようになり,箸の文化が定着するのです。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    同じカテゴリの連載記事

    • 臥雲辰致という人 鴫原 正義 2024年03月12日
    • 地熱発電 鴫原 正義 2024年02月12日
    • 箏と八橋検校 鴫原 正義 2024年01月15日
    • クリスマスカード 鴫原 正義 2023年12月07日
    • セルフレジ(セルフチェックアウトシステム) 鴫原 正義 2023年11月06日
    • サイコロの功績 鴫原 正義 2023年10月05日
    • 楕円の魅力と不思議 鴫原 正義 2023年09月22日
    • 創刊500号に因む知財の話題 鴫原 正義 2023年09月22日