1. はじめに
近年,ナノテクノロジーを用いて創製される新材料や高機能材料は工業製品だけでなく,情報通信,医療機器等に適用されつつあり,ナノテクノロジーの需要が一層高まっている。ナノテクノロジーの研究開発には,その基盤となるナノレベルでの計測・評価技術が必須である。これらナノ計測への光学的アプローチには,高光感度の検出器,精密な光学系,高精度のデータ解析アルゴリズムが必要不可欠である。現在でも,ナノ計測法は高価な計測システムであり,定量的な計測・評価技術の開発が継続されている。我々はオリジナルの散乱光検出技術である自己光混合効果を用いて,様々なナノオーダーの物性計測を達成してきた。本寄稿では,自己光混合計測法の計測原理と,機械・工学系で利用できるナノ物性計測の応用例を紹介する。
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