力学特性のマイクロ断層可視化(多機能OCT)

3. 実験

図1に構築した多機能OCT・OCSE-OCSAハイブリッドシステムを示す。参照アームには,ガルバノミラーを導入したRSOD(Rapid Scanning Optical Delay line)を実装しており,ガルバノミラーの高速走査によるドップラー変調周波数にバンドパスを掛けて奥行きz方向の干渉信号を1 KHz程度で断層取得可能である。RSODは回折格子を用いて分散補償を可能とすると共に,波長に依存せず同一位相にて光路走査を可能とするため変調信号の位相検波精度を向上させている。

対物アームには,2軸のガルバノスキャナー実装し,2次元xy 走査することで計測対象内部の3次元断層可視化も可能としている。光源には中心波長λc=1317.7 nmを用い,奥行き方向空間分解能はΔz=7.51μm,光軸垂直方向空間分解能はΔx=10.8μmである。OCT断層像は100×125 pixel,(Δx×Δz=10μm×9.3μm)の2偏波成分の2次元断層像IHx, z)とIVx, z)を,0.5 fps程度にて断層取得した。計測試料としては,検証のため低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた。

小型卓上試験機(SHIMADZU,EZ-SX)を用いて公称ひずみ量9.68~13.4[%](引張公称応力σxx =4.07~5.68 MPa)のレンジにおいて,計測試料に引張速度5μm/secにて荷重負荷し,2偏波断層像を取得した。S/S0x, z)の動的挙動を観察し,縞間隔の特徴周波数と荷重負荷状態の関係性について検討した。また,切欠き部の断層像を撮影することで,切欠周辺部における応力とひずみの集中をマイクロ断層検出した。

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