電球のように定常的に光を発しているレーザーもあれば,瞬間的に光を発するレーザーもあります。日常よく見るレーザーとしては,定常的なものの方が多いでしょう。これを「連続発振レーザー」と呼びます。連続発振レーザーでは,図2-1の波がずっと続いているのです。一方,ある瞬間だけ,光を発するレーザーのことを「パルス発振レーザー」と言います。
エネルギーが同じであれば,パルス幅が短くなればなる程,ピークパワーが高くなります。最近のレーザー技術の進歩によってフェム卜秒(fs=10-15s)の極めて短いパルスの発生が可能になりました。その結果,極めて高いピークパワーを持ったパルスの発生が可能となっています。簡単に言えば,パルスの持つ全エネルギーは,図2-2の波形の面積に相当し,ピークパワーは頂点の光強度に相当することになります。ところで,パルスエネルギーの全エネルギーはジュールの単位で計り,ピークパワーはワットで測りますが,互いの関係は
ジュール=ワット×秒
です。
レーザーの出力パワーは,極めて大きな範囲にわたっています。小さなものでは1ミリワット(1 mW=1/1000 W)から,大きなものでは1キロワット以上のもの(1 kW=1000 W)まであります。小さな半導体レーザーでは,数Wを出すのがやっとですし,炭酸ガスレーザーでは数十kWなんて簡単に出せます。必要なパワーに応じてレーザーの種類を選ぶ必要があります。
図2-3にレーザー光の特徴を1枚の図にまとめてあります。次々回から,このような特徴がどこから出てくるのかについてお話しします。