浜松ホトニクスは,半導体製造・検査装置向けをはじめとする光半導体素子の後工程(切り出し・組立・検査工程)の生産能力を増強し売上拡大に対応するため,新貝工場(浜松市中央区新貝町)に新棟を建設していたが,このたび完成し,5月から稼働を開始すると発表した(ニュースリリース)。
同社は,医療や産業,自動車などのさまざまな分野に光半導体製品を供給している。近年,半導体製造・検査装置向けイメージセンサの需要拡大が続いており,今後も売り上げ増加が見込まれていることから,今回,新貝工場に新棟を建設し後工程の生産能力を増強するという。
新棟建設により,イメージセンサをはじめとする光半導体素子の生産スペースを拡張し,需要の拡大に対応する。また,新棟と2つの既存棟を接続し新貝工場のクリーンルームを一体化することで,人や物の移動を効率化し生産性を高めるとともに,デジタルトランスフォーメーションによる製造工程の自動化と省人化を図るとしている。
新棟は,事業継続計画に基づく地震対策や水害対策を建物構造に取り入れることで災害対策を強化するとともに,断熱構造や太陽光発電設備などの環境対策を積極的に取り入れた設計としている。なお,今回の新棟建設により,新貝工場での大型設備投資は完了するという。
今後,光半導体のさらなる需要拡大が見込まれており,前工程(プロセス工程)では同社工場に新棟を建設し,従来の直径6インチよりも面積の大きい直径8インチのシリコンウエハーに対応した製造工程を2026年9月期より稼動する。後工程では,今回の投資を含めキャパシティの拡充を進め生産体制を強化することで,10年後には光半導体事業の売上倍増を目指すとしている。
■詳細は以下の通り
稼働予定:2025年5月
総工費:約75億円
収容人員:約100名
生産品目:光半導体素子
生産能力:約300億円(売上高換算)