独IDSは,仏Propheseeのイベントベース方式によるMetavisionセンシングと画像処理技術を搭載した,新しい産業用「uEye EVS」カメラシリーズの発売を発表した(ニュースリリース)。
この製品には,PropheseeとSonyの協業によって開発された「IMX636HD」イベントベース・ビジョンセンサが搭載されており,高速性や広いダイナミックレンジ,データ効率の高さが活かされているという。これにより,産業用マシンビジョン・アプリケーションの性能向上が期待されている。
さらに,Propheseeが実証してきたニューロモーフィック・アプローチを採用しており,従来のフレームベース方式と比べて,データ処理量や消費電力,ブラーの発生を大幅に抑制しながら,高速で動く被写体を捉えることが可能だという。
この特性により,振動の光学的モニタリングや高速モーション解析など,リアルタイムで超高速なマシンビジョン処理が求められるアプリケーションに最適とされている。
また,このセンサの特長である「シーン内の変化のみを検出する能力」が活用できる。これは,一般的なイメージセンサのように一定間隔で画像全体を撮影するのではなく,シーン内の変化に反応して情報を取得する仕組み。
具体的には、視野内の明るさがいつ・どこで変化したかを,センサの各画素が個別に検出し,それを「イベント」として出力する。時間分解能(連続する輝度変化を測定できる最小の時間差)は,100マイクロ秒未満を実現できるという。
また,画像ベースのフレームレートに換算すると,毎秒10,000枚以上に相当する撮影が可能であり,視野内で動きのない部分は無視され,出力されるデータ量は従来の画像方式と比べて1/10~1/1000に抑えられるという。その結果,メモリの使用量を削減できるだけでなく,演算時間の短縮にもつながるとしている。