TOPPANホールディングスは,小型ロボットやスマートグラスへの搭載を可能にした3D ToFセンサを開発した(ニュースリリース)。
昨今,スモールモビリティやロボティクス,ゲーミングなどで,3D ToFセンサが広く使用されている。
これらの用途では小型かつ高性能なバッテリー駆動製品が多く,搭載される3D センサには「高い距離精度」だけではなく,「低消費電力」,「低遅延」,「小型化」への要求が高まっている。
同社は2023年にロボティクス向けとして,「ハイブリッドToF(Time of Flight)」による4つの性能(長距離測定,屋外測定,高速撮像,複数台同時駆動)を実現した第一世代の3D ToFセンサを開発している。
今回,新たに小型ロボットやスマートグラスへの搭載を可能にした3D ToFセンサを開発した。独自の技術である「ハイブリッドToF」(ショートパルス型ToF方式とマルチタイムウインドウ技術によるセンサ制御を融合した技術)を活用し,最大120fpsの高速動作,外光ノイズをリアルタイムに除去するセンサ駆動,低モーションアーティファクトを実現した。
新たに「HDR機能」,「画素ビニング機能」を内蔵。HDR機能では,ToF方式が苦手としている低反射率と高反射率の対象物を同時に捉えることが可能になった。また,4×4画素ビニング機能では16画素を1画素として扱うことで,第一世代の4倍のSN比を実現。これらの機能により距離ノイズを低減し,これまで以上に正確なセンシングが可能だとする。
さらに,センシングしたい画像領域を切り出す機能により,データ処理量の削減とデータ転送の高速化を実現。この機能により,ユーザーのシステム処理負荷を軽減することができるとしている。
また,センサの待機電力を削減するディープパワーダウンモードを搭載。待機電力5mW以下を実現したほか,センサ設計の最適化で従来製品から入出力ピン数を削減することにより,同社従来品と比較して約20%のセンササイズの小型化を実現した。
これらの特長により,近年急成長しているスモールモビリティ,ロボティクス,ゲーミングといったアプリケーションの中でもシニアカー,ロボット掃除機,スマートグラスなどで正確に対象物を捉え,安全に駆動するために最適な製品だという。
同社は2025年5月にサンプル出荷を開始,2025年10月に量産開始を予定している。新型ToFセンサとそれを搭載したカメラ,ならびにその周辺受注を含め,2026年度中に約15億円の売上を目指すとしている。