ジャパンディスプレイ(JDI)は,ディスプレーメーカー台湾Innolux Corporationと,同社の子会社で,車載ディスプレーソリューションのTier1 サプライヤーであるシンガポールCarUX Technology Pte. Ltd.との間で,eLEAP戦略提携の契約を2024年12月3日付で締結したと発表した(ニュースリリース)。
同社は,OLED(有機EL)ディスプレーへのユーザーニーズに応えるため,次世代OLED「eLEAP」を開発した。このOLEDは,世界で初めてHMO(High Mobility Oxide)を採用した,世界初のマスクレス蒸着とフォトリソを組み合わせた方式で画素を形成するOLED技術であり,従来のOLEDでは実現できない低コストと高精細画素形成を可能としているという。
バックプレーン技術であるHMOは,高耐圧特性(高電圧/大電流)により特に車載用途で求められるOLEDの高輝度化を実現。さらに高リフレッシュレート駆動や,低周波駆動による低消費電力化が可能となった。
従来のOLEDと比較して2倍の輝度,3倍の寿命を実現し,鮮やかさ,高解像度,高速応答,かつ省電力といった高性能をより低コストで実現する。さらに,このOLEDはGreenTechでもあり,その効率性の高い製造プロセスにより,従来のOLEDと比較してCO2排出量を大幅に削減するとしている。
今回,eLEAP戦略提携の一環として,まずはCarUXと同社は32型高性能車載用eLEAPディスプレーを共同で市場を開拓する予定。この最新鋭eLEAPディスプレーは,同社の既存32型車載用ハイエンドLCDディスプレーと比較して,消費電力を76%も削減しながら,解像度を12%向上,輝度を15%増加,コントラストを690倍に改善するという。