古河電工,白山の株を取得しMTコネクタ事業を拡大

古河電気工業は,白山の株主である大和PIパートナーズが運営する投資事業組合「DPIP企業支援1号」および米川達也氏より,白山の株式を約67%取得する株式譲渡契約を締結した(ニュースリリース)。

白山は光通信に欠かせないコネクタ部品の一つである多心型光MTフェルールの世界シェアが第2位で,雷防護装置(SPD)や無停電電源装置をはじめとする環境エネルギー製品等を製造している。

生成AI等の需要により市場拡大していくと予想されるハイパースケールデータセンタでは,大量の光ファイバケーブルを効率的に接続する必要がある。多数の光ファイバを一括で接続できる部品であるMTコネクタはデータセンタの高速大容量通信に不可欠で,特にデータセンタ内の光損失を少なくできる低損失型MTコネクタは信号増幅の頻度を減らして電力消費を抑えられることから,需要が増えている。

同社はこの成長市場でMTコネクタ事業を拡大するべく,技術力を持つパートナー企業との協力関係を積極的に探っていた。

同社は今回の株式譲渡契約により,2025年1月30日付で白山の株式を約67%取得する。これにより,同社の技術総合力と白山のMTフェルールを含む光コネクタの開発力とコスト競争力とのシナジーを発揮し,製造能力と製品開発スピードにおける市場での優位性を確立するとしている。

同社は需要拡大が期待される低損失型MTコネクタ市場において世界第1位を目指すとともに,コンピュータオンモジュール(プロセッサ,メモリ,ストレージなど主要コンポーネントを統合したモジュール)市場において光電融合用コネクタの先駆者となることを目指すとしている。

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