ニコンは,LED光源を取り付け可能な実体顕微鏡用の蛍光照明装置を開発し,子会社のニコンソリューションズを通じて10月31日より販売開始すると発表した(ニュースリリース)。
大型サンプルの観察には実体顕微鏡が適しているが,詳細な内部構造を観察するために,GFPなどの蛍光たんぱく質や蛍光色素で標的を染色して観察する蛍光観察という手法が用いられる。蛍光照明装置は,蛍光観察のために光源からの光を対物レンズに導入するための装置となっている。
LED光源は従来の水銀光源に比べ,長時間の観察でも光源立ち上げ時から観察時間を通じて安定した光量を保つことができる。そのため,再生医療やがん研究,神経疾患の研究など,大型サンプルの観察が重要な分野で,安定した蛍光観察環境を提供することで,研究の再現性の向上に寄与するという。
特に,再生医療や創薬研究の領域では細胞や組織の変化を長期間にわたってモニタリングする必要があり,低光毒性のLED光源による観察手法が業界標準となっている。
この製品を使用することで同社製LED光源を実体顕微鏡にファイバーレスで取り付けることができるとしている。