住友化学の子会社である韓国東友ファインケムは,次世代通信関連製品「ガラス透明LEDディスプレー」を実用化し,同国内で販売を開始した(ニュースリリース)。
透明ディスプレーは,透明な樹脂やガラスの基板に光源を配置した表示デバイスのことで,画面に表示されている内容を視認しながら,同時に背景も透過して見ることができるという特長を持っている。
周囲の景観や視界を妨げずに設置できる点が,従来型ディスプレーとの大きな違いとなっている。そのため,電気自動車などの次世代モビリティ部材,商業ビルなどの建材など,幅広い用途での市場創出が期待されている。
今回,同社グループが実用化したガラスタイプの透明LEDディスプレーは,東友ファインケムが従来から手がけるタッチセンサーなどで培われた独自の微細加工技術を生かすことにより,高い透過率と高解像度の映像提供を実現した。
また,ガラスタイプを採用することで,フィルムタイプの製品と比べ,衝撃などの物理的な損傷や燃焼などの化学的な損傷にも強い耐性を実現した。顧客ニーズに合わせたさまざまなデザイン設計が可能だという。
東友ファインケムは,韓国において,今年からEVバスの車窓に搭載する広告用ディスプレーの販売を開始しており,今後は,モビリティや屋内外の標識,建物外壁など,多様な用途への展開を予定しているとする。
また,同社グループは,これからも,スマート社会の実現を目指し,革新的なディスプレー材料や高速通信アンテナ材料など,次世代通信技術の発展に寄与するソリューションを提供していくとしている。