富士通は,IOWN構想の基幹技術の一つであるオールフォトニクス・ネットワーク(APN)のグローバル市場での普及を目指し,2024年11月から2025年3月末まで,オープンAPNが提供する様々な機能の体験が可能な,日本国外では初の施設であるオープンAPNラボをドイツのデュッセルドルフに開設すると発表した(ニュースリリース)。
AI,ビッグデータ処理,次世代通信規格5Gなどがグローバルに普及するに伴い,無線基地局とコアネットワーク間や,データセンター同士を結ぶ光通信の領域では,日本国内に限らず,伝送量の大容量化へのニーズがグローバルに高まっている。
また,通信インフラの拡大に伴い,通信事業者やデータセンター事業者の消費電力削減への取り組みも重視されており,グローバルで喫緊の課題となっている。この課題を解決するソリューションについてユーザーやパートナー企業と議論をする場として,同社はドイツのデュッセルドルフにあるFujitsu Technology Solutions GmbH内にオープンAPNラボを開設する。
このオープンAPNラボが設置されるデュッセルドルフは,多くのテレコム関係企業が拠点を構える都市で,デュッセルドルフ国際空港や欧州の主要都市からのアクセスが良く,ドイツ国内のみならず,欧州における通信事業者などの来訪に適した利便性の高い立地となっている。
このオープンAPNラボでは,同社製のAPNの実機を用いて性能や機能検証を行なうことで,大容量,低遅延および低消費電力といったAPNの特長や,他社製装置との相互接続性検証を通じた運用の容易性や汎用性,有用性を確認できるほか,APNをベースとしたユースケースの紹介やデモによる将来のネットワークサービスを体感することができるという。
なお,同社は総務省の欧州におけるオール光ネットワークの海外展開に向けた実証実験の請負事業を請け負っており,このオープンAPNラボを活用して,実証実験などを行なっていくとしている。このオープンAPNラボは,2025年3月末までドイツのデュッセルドルフにて開設し,その後は実際にフィールドで実証実験を行なっていく予定だという。
また,同社は今後,同様のオープンAPNラボを北米地域にも開設するなど,さらなるグローバル展開を計画しているとしている。