ジャパンディスプレイ(JDI)は,見る方向により異なる2つの映像を表示する2Vision Display(2VD)の画質を大幅に向上させ,車載用途で求められる画質に対応する2VD製品を世界で初めて開発したと発表した(ニュースリリース)。
この製品は,1つのディスプレー上に見る角度によって異なる2つの映像を表示することができる技術。従来は画質の向上が課題だったが,同社のLTPSと液晶パネル光学技術を活用することで,大幅な画質の向上を実現したという。
この技術の進歩を契機として2VDの普及が進むことにより,ドライバーの安全運転をサポートする情報表示と,同乗者に対する大画面・高画質な映像表示を1枚のディスプレーで同時に提供することが可能になったとしている。
また,車内ディスプレーの増加によってインテリアデザインに制約を与えていた問題も解決するという。ディスプレー数を減らすことでシンプルかつ洗練されたデザインを実現し,新たなトレンドを創出するとしている。
また,2VDは運転席と助手席それぞれに異なるコンテンツを表示できる一方,従来はタッチ機能がなかった。今回,この製品に搭載したDual Touchは,運転席側と助手席側のどちらからタッチ操作したかを識別する機能であり,2VD技術と組み合わせることによって1枚のディスプレーをあたかも2枚の別々のタッチ機能付きディスプレーのように利用することができるとしている。
現在,2025年以降に発売される自動車への搭載を目指し,世界各国の複数の自動車メーカーと商談を進めているという。
■開発した製品の仕様は以下の通り。
同社従来品 | 今回の開発品 | |
見た目の解像度 | 88ppi | 171ppi |
明るさ | 350nits | 700nits |
コントラスト | 350 : 1 | 1000 : 1 |
NTSC比 | 70% | 85% |
タッチ機能 | 無 | Dual Touch |