光・レーザー関西(OPK2024 7月17日,18日 マイドームおおさか)にて可視光半導体レーザー応用コンソーシアム(ブースNo.O-23)は,レーザー害虫駆除システムをデモ展示している。
一般的に害虫駆除は農薬を使って行なわれるが,残留農薬の問題のほか,長期間の使用によって害虫自信が農薬に耐性を持つという問題がある。これに対し大阪大学の研究グループは,レーザーパルス光を害虫に照射し,撃ち落とす研究を行なっている。
展示会場では昆虫に見立てた目標を旋回させ,これをステレオカメラで捉えて青色レーザーを照射するデモを行なっている。500fpsで取得した画像を高速処理することで,現在は動く物を害虫として検出し,人間など照射を避けるべき物体は大きさによって判別している。
レーザーは青色半導体レーザーをガルバノミラーで走査する。このレーザーはコストの面と目標とするハスモンヨトウという蛾の一種が茶色であることから吸収が高いことがメリット。照射時間は10Wで0.5秒,20Wで0.1~0.3秒で,害虫に飛翔不可能とするダメージを与えられるという。
今後は画像処理によってより正確な追尾を行なうとともに,害虫の弱点となる頭や胸を正確に照射する技術を開発する。また,有効な照射距離範囲の拡大や装置の小型化を通じて,ドローンや小型の自動運転車への搭載を目指すとしている。