北陽電機は,昨年米Lumotiveと共同開発したソリッドステートスキャニング技術を活用の3D LiDARのプロトタイプモデル「YLM-X001」の量産モデルである「YLM-10LX」を商品化したと発表した(ニュースリリース)。
プロトタイプモデルと比較して小型のLCMチップ「LM10」を採用することで,サイズとコストを最適化し,より小さな筐体に収まるように内部構造を再設計した。北陽電機は,この製品の核となる機能を実現するために,独自のLiDAR設計技術とLumotiveの最先端ビームステアリング技術LCMを統合した。
LCMは,メタマテリアルの光線曲げの原理に基づいてレーザーパルスをステアリングするLiDAR初のもの。
この製品では1ラインのレーザ光を垂直に走査しながら投光し,1ラインずつ受光する。そのため,視野全体に光を照射するToFカメラと比べて,マルチパス干渉を軽減できるため,移動体の環境でもより正確な距離測定が可能となるという。
機械的なスキャンとは異なり,FoV(視野)の範囲,FoVの数,およびその解像度をソフトウェアによって動的に変更することができるとしている。また複数のFoVを同時に設定することもできるという。測定距離は0.5~10m,最大FoVは120°(H)×90°(V)となっている。
同社は,この製品は,従来のメカニカルスキャン技術では実現できなかった革新的なアプリケーションを可能にし,今後LiDARの利用拡大が見込まれるAGV/AMRやサービスロボットなど,将来の搬送機器を中心に事業拡大を目指すとしている。