出光興産は,同社社員の舟橋正和氏が令和6年春の褒章「紫綬褒章」を受章したと発表した(ニュースリリース)。
紫綬褒章は,科学技術分野における発明・発見や,学術およびスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた個人に授与される。
今回の受章は,高効率かつ長寿命の青色発光技術の発明により,有機EL発光において実用レベルでの三原色発光が可能となり,近年の有機 EL フルカラーディスプレーを搭載した高機能機器の実用化に大きく貢献したことが評価された。
同社は1985年より世界に先駆けて有機EL材料の研究開発を開始し,当時,光の三原色である赤・緑・青のうち,特に実用化が困難であった青色の発光材料の開発に注力してきた。
同社が開発した青色発光技術は,フルカラーディスプレーに求められる色純度の高い青色発光と,長寿命化を実現し,2007年には世界で初めて販売された有機ELテレビに採用されるなど,有機ELフルカラーディスプレーの実用化に大いに貢献した。
現在は,同技術を含めた応用研究を進め,スマートフォンやテレビなどのさまざまな製品に同社の有機EL材料が採用されている。世界トップクラスの品質・性能を実現する技術力のもと,今後も有機ELディスプレーの発展に貢献する技術・材料を提供していくとしている。