光産業技術振興協会(OITDA)は,2月16日(金),リーガロイヤルホテル東京(東京都新宿)にて「第39回櫻井健二郎氏記念賞」の表彰式を挙行する(協会HP)。
この賞は,元電子技術総合研究所 電波電子部長,元同協会理事 故櫻井健二郎氏が光産業の発展に尽くした功績をたたえるとともに,光産業及び光技術の振興を図ることを目的として創設したもの。光産業技術の分野において先導的役割を果たした業績に対し,年1回,同協会が表彰するもので,2023年度で39回を数える。
今回,京都大学 大学院工学研究科 教授の竹内繁樹氏が,「量子もつれ光を利用した光量子センシングに関する先駆的研究」の題目での受賞となった。
同氏は,近年,注目を集める量子技術分野,特に,量子もつれ光を利用した新たな光量子センシング技術分野の研究に黎明期から携わり,量子もつれ顕微鏡の開発に世界で初めて成功するとともに,量子光断層撮像(QOCT)においても,量子光源の広帯域化により,世界最高分解能0.54µmの量子光子干渉縞を観測することに成功した。
さらに,最近では,可視域用のシリコン検出器で赤外分光を可能とする量子赤外分光法の開発においても,顕著な成果を挙げている。
このように,量子技術,特に,量子もつれ光を用いた新たな光量子センシング分野において,優れた成果を挙げ,国内外の研究開発を先導してきた。今後,さらに産業界との連携強化により,我が国の光産業の発展に大いに貢献するものと期待され,今回の受賞となった。
表彰式は2月16日(金),リーガロイヤルホテル東京ロイヤルホールⅠにて開催される「2023年度光産業技術シンポジウム」終了後,16:35からの予定で同所にて執り行なわれる。
また,表彰式では櫻井健二郎氏記念賞委員長の荒川泰彦氏(東京大学名誉教授)より,表彰状ならびに副賞として記念メダルと賞金が贈呈される予定。