三菱重工業は,米国統括拠点である米国三菱重工業(MHIA)を通じ,光触媒技術を活用した水素製造・CO2利用技術を開発する米国のスタートアップ企業である米シジジー・プラズモニクスに出資したと発表した(ニュースリリース)。
シジジー・プラズモニクスは,米ライス大学で開発された,光触媒を利用して水素製造などのさまざまな化学反応を電化する世界最先端の革新的技術を商用化するべく,2018年に設立された。
化学工業プロセスを電化し,よりクリーンで安全な世界を実現するため,従来の燃焼熱に代わり光を利用した反応器を開発している。
この反応器を再生可能エネルギーによって運転することで,アンモニアからのCO2フリー水素の製造や,CO2排出量の少ない水素をメタンから製造することなどを可能とし,化学工業プロセスのコストとCO2排出量の両方を削減できる可能性を有している。また,回収したCO2とメタンから合成ガスを製造し,持続可能燃料やメタノールに変換することもできる。
同社グループは,今回の出資を通じ,それら各エコシステムの多様化につながる将来の革新的代替技術の1つとしてシジジー・プラズモニクスの取り組みを支援し,同社グループが戦略的に取り組むエナジートランジション事業の強化につなげていくとしている。